2020年はコロナという今までにない、私たちの根底を覆されるような状況の変化がありました。
特に初期段階では、それぞれの方位磁石が狂ってしまって、冷静でない状況下の中、情報も錯綜し、何が正しくて、正しくないかの判断さえもできない状態でした。
その中で感じた違和感。
どこか遠く感じている出来事が、些細な行動の一つ一つの先に在るような、全てがつながっているような感覚。
こんな中だから浮き出てくること。
こんな中でも、在りたい姿。見失いたくない姿。
生きること、活すること。
生きて活動すること。
生活とは。
感覚でキャッチしたイメージを表面的な理解の言葉で伝えるのではなくて、掘り下げて掘り下げて解釈して。
自分たちなりの表現に変換して、強く伝えるにはどうすれば良いか。
そんなことを考え、江田島在住のコラージュアーティスト今田知佐子さんと
WIC Projectというプロジェクトを組んでアート作品の制作に取り組みました。
動機は、わからないことを自分たちなりにわかるようになりたかったから。
完全な理解はできないけど、少し確信に近づいていって。
自分自身への戒めや希望にもつなげたいと。
生と活つ
コロナ禍をきっかけに、今見えている世界の中、見つめ直すもの、大切にしたいものに向き合うアートプロジェクト。3つのテーマで対比する作品を制作。
完成形は5つのテーマになる予定。
テーマ「ポリシー」

「不鮮明」 隠した本音は何処に行ったのか。
人に合わせて王蟲返しをする。
自分が誰なのか分からない。
絡みついたしがらみ。
飛ぶことよりも捕われることを選んだ私。

「在る」 風を流し受け止めそこに在る。
己を持ち、真っ直ぐに見つめそこに在る。
私の心はどんな風が吹いても、鳥のように自由に軽やかに飛びどこにでもいける。
伸びやかに育つ植物のように何のしがらみもなく、ただ素直に伸び続ける。
テーマ「従属と独立」

「無自覚の操縦者」 ルールを決めるのは誰。
幾重にも重なった世界に人々は存在している。
暗黙のルールの中、私は世界の一部で歯車を回し、誰かに作用し作用され生きている。
支配しているのか支配されているのか。何かにしがみついているのか。
誰もが皆、無自覚の操縦者なのかもしれない。

「The Way Am I」 シンプルにもっと自由に。
生まれたままのありのまま。
自由を纏い、ただそこに佇む。それだけでいい。
消費と生産

「満たない」 注ぎ続けても足りない
もっと花を咲かせようと水を欲しがる豪華絢爛な花は、欲望尽きない私自身だ。
枯れないように水を注ぎ続けるが、満たされることはない。

「種をまく人」 豊かな土壌はその人自身でもある。
種を撒く、私を取り巻く大地に。
撒いた種から伸びやかに育っていく植物たち。
豊かな緑で覆われて私の心も満ちていく。